当院の女性医師3人が、日々の診療や身近で起こったことについて語るコラムです。
「マスクドライアイ」と「マスク頭痛」
眼に対しては、マスクでドライアイ症状が悪化する、「マスクドライアイ」が報告されています。呼気の湿度で潤うような気もしますが、マスクから漏れた空気の流れ(風)が、眼表面の水分を奪い、ドライアイになると言われています。ノーズワイヤーが入っているマスクを利用して、ワイヤーをしっかり鼻にフィットさせる(上方向への空気の漏れを防ぐ)ことで予防になるそうです。
また私自身は、「マスク頭痛」に悩まされています。マスクは呼気をそのまま吸いこむため、二酸化炭素過多の空気を吸っていることになり、これが脳の血管を拡張させて片頭痛を引き起こしたり、マスクの耳にかけるゴムの圧迫が原因で筋緊張型頭痛を引き起こしたりするとされています。頭痛対策には、マスクを外せる時間を定期的に作ることが有効だろうと思いますが、忙しくしているとなかなか難しいと実感しています。マスクを選ぶ際には耳への圧迫が弱い製品を選ぶ、耳への圧迫を避ける便利グッズを使うなど、いろいろと工夫をして過ごしていきたいと思います。
一方で、一時は不織布マスクが不足して再利用を余儀なくされた不便な時期もありましたが、いまや様々なデザインの商品を選べるまでになりました。不自由なマスク生活も、楽しんで過ごしていきたいですね。
名古屋アイクリニック
医師 長谷川 亜里
【略歴】
- 2006年 山口大学医学部卒業
- 大雄会病院を経て、現在は中京病院勤務
- 日本眼科学会認定眼科専門医
【所属】
日本眼科学会、日本眼内レンズ屈折矯正手術学会、日本角膜学会